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デジタルマーケティング基礎4【データ活用とマーケティング活動の実行プロセス】

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データ活用の考え方について整理していきます
デジタルマーケティングならではのとても重要なパートになります
生活環境のデジタル化に伴い、
様々なデータが活用できるようになりました

データ活用の考え方

マーケティングとは
企業と生活者の関係づくりというお話をしましたが
関係というのは距離感とも言い換えることができます

この図は企業と生活者の距離をマッピングしたものです

一番外側が世の中全体
非顧客状態の生活者です
一番右下が顧客になります

この世の中と顧客状態の間に
ニュース、情報、コンテンツなどの外部の情報接点、
企業サイト、売り場などの企業が持つメディア接点
またこれらの設定にはデジタル、ノンデジタルそれぞれが存在します

この非顧客と顧客の間にある様々な情報接点を活用しながら
両者の距離を縮めること
最終的には顧客、優良顧客に引き上げていくプロセスが
マーケティングコミュニケーション活動といえます

データを活用し、生活者と企業の距離間、ギャップを明らかにし
ステータスにあったコミュニケーションを行うことで
その距離、関係性を近づけて
良化していくことが期待されているアプローチになります

データを使ったマーケティングとは

もう少し具体化すると
このような絵になります


生活者が商品やサービスを購入するまでには
情報に対する関与度と検討プロセスが存在します
当然ですが関与度と検討プロセスが深くなるほど
顧客に近づいていきます

顧客の関与度、プロセスによって
行動や意識のセグメントが異なるため
それぞれのセグメントに対して
ふさわしいコミュニケーションを行うことで
顧客に近づいていきます

デジタルマーケティングにおける
データ活用の大きな可能性は
この全体図で見た際に企業と生活者の距離や居場所による
属性、意識、行動などをデータを使って理解すること
また直接的な施策に活用すること
施策の結果を検証できるところにあります

データ活用の目的と種類を整理します
デジタルマーケティングにおけるデータ
活用の目的は大きく三つに整理できます

1つ目はコミュニケーションのターゲットを設定、理解するためのデータです
本講座では顧客視点というお話をしていますが
まず顧客の属性や行動、意識を知るためのデータ活用です

企業が保有する顧客データやパネル、インタビューなどによる
リサーチデータなどが挙げられます

2つ目はターゲットに対して
適切なタイミングで適切なコミュニケーションを行うためのデータです

デジタルマーケティングの特性でもありますが
顧客の行動をリアルタイムに取得しながら
広告メッセージやwebコンテンツを適切なタイミングで
出し分けて行くことができます

活用するデータは
ターゲット属性や行動データになります

メールアドレスやクッキーデータなどの形式で取得できると
ダイレクトに施策に反映することができます

3つ目は実施した施策の効果
KPIを検証するためのデータです

仮説に基づいて実施した施策が
想定したパフォーマンスを発揮できたのか
あらかじめ設定したKPIと照らし合わせて評価するためのデータです

リサーチデータ、アクセス解析データ
自社で保有する購買などの顧客データなどで検証を行います

以上データ活用の目的と種類は
◆ 顧客を理解する、
◆ 施策に活用する、
◆ 施策を検証するの
三つに分類されます

施策に活用する(DMPの活用)

施策への活用においては
近年、データマネジメントプラットフォーム
Data Management Platform=DMPという仕組みが
注目され導入を進める企業が増えています

DMPはデジタル時代のCRM※のプラットフォームだと理解すると良いと思います

※CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれます。顧客との関係性、コミュニケーションを管理し、自社の従業員と顧客との関係を一元的に把握できるようにします。

自社で取得できる広告反応データ
サイト内行動データ
ソーシャルメディア上の属性データ
CRMのデータなどに加えて
外部パートナーが保有するパネルデータ
媒体行動データ
購買データなどを掛け合わせ
一つのプラットフォーム上で活用できるものです

活用のプロセスは
①データをクッキー形式で投稿する
②統合したデータをもとに顧客分析を行い
コミュニケーションのセグメント設計を行う
③設計したセグメントを元に広告配信やサイトコンテンツ
メール配信crmなどに活用する

この3段階での活用となります

DMPの特徴はデータを統合し
分析したうえで設計したセグメントを
外部の様々なプラットフォームと連携できる部分にあります

これによって
顧客のセグメントごとにふさわしい広告配信や
サイトコンテンツの出し分け
メール配信、CRMを行うことができます

前述した企業と生活者の距離や
居場所による属性、意識、行動などをデータを使って
コミュニケーションを最適化する
プラットフォームとして注目されています

施策の検証と改善について

施策の検証と改善についてです
生活環境がデジタル化されていくことで
多くのタッチポイントで
データ取得ができるようになりました

このデータを活用して
スピーディーにPDCAを繰り返すことができるのが
デジタルマーケティングの成功における重要なポイントになります

PDCAとは
plan
DO
check
actionのことで

PLAN(プラン)は仮説を立てること
マーケティング課題を解決するための
プランニングを行うことです

キャンペーンの設計、シナリオ作成
メディアプラン、KPIの設計などが含まれます

DO(ドゥ)は実施
プランニングに従いキャンペーンを実施すること
例えばコンテンツ、クリエイティブの制作
メディアのバイイングはここに含まれます

CHECK(チェック)は検証です
媒体レポートやアクセス解析
広告効果測定ツールなどのデータを用いて
設計通りにキャンペーンの成果が上がっているか
KPIを検証し課題を抽出します

ACTION(アクション)は改善です
チェックのフローで明らかになった課題を解決するために
修正、リプランニングを行います

このPDCAの流れをぐるぐる回していくことで
各コミュニケーション施策、
ひいてはマーケティング活動全体の効果は向上していきます

逆にこのPDCAがしっかり回っていないケースも多く
マーケティング活動に取り組む前にしっかり回すための
環境設計を行っておくことも重要な要素になります

マーケティング活動の実行プロセス

ここではマーケティング活動の
実行プロセスについて整理をしていきます
繰り返しになりますが
現在のマーケティングは
時間軸の中で企業と顧客の関係作りを通じて
売れる仕組みを作ることです

このチャプターで説明をする
マーケティング活動の実行プロセスは
マーケティング活動のロードマップとも言えます

この実行プロセスを描くことは
短期の成果に一喜一憂せず
企業が抱える問題に対して
短期、中長期それぞれの目線で
顧客との関係構築を行なっていく上で
重要なアプローチになります

本講座で説明する
マーケティング活動の実行プロセスは次の9つです

1問題の把握
2仮説設計
3ロードマップ設計
4シナリオ設計
5施策kpi設計
6体制構築・実行計画
7実行
8検証
9改善・再設計

以降でそれぞれのプロセスについて
説明をしていきます

まずは問題の把握
マーケティング活動の実態把握と
問題箇所の特定をするために
企業が抱えるマーケティング上の問題を明らかにし
特定のセグメントに対する売上、利益など
KGIに関する問題を設定します

次に仮説設計
問題から課題への分解と
解決に向けた仮説の設計を行います
顧客化のプロセスに視点を置き
問題を引き起こす課題箇所を特定し
課題を解決するための仮説を設計します
また仮設には想定される施策や
改善される
数値効果(KGIレベル)を含みます

次にロードマップ設計
マーケティングプロジェクトとしての
ロードマップ設計を行います
仮説の精度を高め、実行し
継続的に改善を行いながら
成果を上げていくための
プロジェクトロードマップを策定します
また本実行プロセスに則り
中長期のタスク、スケジュールを設計します

次にシナリオ設計
ターゲットに対する
マーケティングシナリオの設計を行います
仮設で定義されたセグメントで分類された
顧客像を明らかにします
ターゲットを代表的なペルソナとして描く作業です
そして顧客化のプロセスとターゲットの意識、
行動を整理しながら
試作の前提となるマーケティングシナリオの全体像を
設計します
前述したシナリオプランニングのプロセスです

次に施策、KPI設計
優先度の高い施策の選定、企画化します
シナリオから抽出されたコミュニケーション施策を
企画化し、タッチポイントの文脈を想像し
メッセージや仕組みを検討します
また施策を評価するKPIを設定します

次に体制構築・実行計画
チームビルディングと実行計画の策定を行います
企画を実行する上で
必要なプロジェクト体制を構築します
マーケティングプロジェクトには
戦略を理解したチームの構築が不可欠です
チームには事業会社、広告代理店、制作会社などの
パートナー含みます
誰がいつ何を実行するのかというタスクと
スケジュールやペイド、オウンド、アーンドにおける
企画の詳細化を行います

次に実行
計画に基づいた企画の実行を行います
計画で定められたタスク、スケジュールに基づいて
企画を実行します
例えばメディアバイイング、
運用、コンテンツの制作、ローンチなどです

次に 検証
KPIに基づいた実行企画の検証を行います
以前に設定したKPIに基づいて実行した企画の効果を検証
効果の良し悪しについて
仮説、施策、企画詳細レベルで振り返りを行い
要因を明らかにします

最後に改善、再設計
検証結果に基づく計画の改善を行います
検証結果で明らかにした要因に基づいて
着手すべきポイントを定め
効果を改善するための仮設設計を行い実行します
なお改善着手ポイントは検証結果によって異なります
また継続的に検証、改善を行うことは
極めて重要なプロセスでこれを継続することで
プロジェクトの成果は向上していきます

以上がマーケティング活動の実行プロセスになります
繰り返しになりますが
マーケティング業務に取り組む前に
事前の計画として説明したプロセスを
描いておくかどうかが
成果を上げるための重要な要素になります

基礎編のまとめ

最後に講座でお話ししてきたことをまとめます
大きく7つのポイントで整理します

1.デジタルマーケティングとはについて説明をしました
デジタルマーケティングとは
デジタル化していく環境に適応しながら
最適化していくマーケティング活動です

2.デジタルマーケティングに対する期待について説明をしました
事業会社からの期待値は
顧客を理解する
継続的な関係を構築する事
売上利益に貢献する
の3点にあります

3.事業貢献するための指標の考え方について説明をしました
事業貢献(売上、利益への貢献)=KGIを達成することを目的に
中間指標KPIを設定し運用していくことが重要です

4.目標を達成するための三つの要素について説明をしました
①マーケティングシナリオのプランニング
②シナリオに基づいたコミュニケーション施策の設計
③シナリオ試作の裏付け、検証の基盤となるデータ活用
この3つの要素を抑えることで目標達成に向けて
建設的なマーケティング活動が実施できるようになります

5.シナリオ、制作、KPI設計の流れについて説明をしました
顧客がプロセスを軸にシナリオ設計を行うことで
施策、KPIに連続性が生まれ事業貢献度が高まります

6.データ活用の考え方について説明をしました
データ活用はマーケティングのデジタル化によって
アプローチできるようになった大きなポイントです
企業と顧客の関係性をデータで明らかにし
コミュニケーションに活かしていきましょう

7.マーケティング活動の実行プロセスについて説明をしました
試作単体ではなくマーケティング活動そのものを
プロセスとして設計することで
プロジェクトに継続性が生まれ成果の向上につながります

今回お話しした内容は
デジタルマーケティングに取り組まれる方が
各々の専門領域に触れる前に押さえておいていただきたい
基本的な考え方になります

本講座に触れていただいた皆様が
より構造的にデジタルマーケティングを捕らえ
自社の事業、クライアントの事業の成果に
つながる活動に役立てていただければ幸いです

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