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デジタルマーケティング基礎3【シナリオ、施策、KPI設計の流れ】

投稿日:2021年5月29日 更新日:

基礎編02で説明した目標を達成するための三つの要素のうち
シナリオ、施策を設計する流れ
加えてKPI設計の考え方についても整理していきます

シナリオプランニングの流れ

まずは問題の特定
マーケティング活動のテーマとなる問題を把握します
どのような事業の問題を解決するために
そのマーケティング活動を行うのか?その定義です

例えば商業施設の場合は
競合施設の開業による顧客の流出、売上の低下、
この問題を解決するために
どのようなマーケティング活動を行うべきかを
以降のプロセスでプランニングをしていきます

次に顧客像の設定
ターゲットとなる顧客像を設定します
関係構築を行っていく顧客の属性の設定です
例えば20から30代
半径30Km圏内居住
ニューファミリー層
といった内容です

そして顧客化プロセス
未顧客状態から優良顧客化までのプロセスを定義します
このプロセスは業種によって異なりますし
プランニングのテーマによっても異なります

例えば商業施設の場合は
認知、興味関心、理解、来場、購入
会員化、再来場、再購入・推奨といった
具体的に企業と顧客の関係がどのように変化していくのか
そのプロセスを定義します
この設定を誤ると以降のプランニングのプロセスが全てずれます
ですので事業の実態に合わせて正しく定義することが重要です

ここから先の各表側のプロセスは
この顧客化のプロセス単位で設計をしていきます

ターゲットインサイト
顧客化プロセスごとのターゲットのインサイトを想像して整理します
提供するサービス、ソリューションに関連した
プロセスごとのターゲットの意識、本音、ポジティブ、ネガティブを
整理します
インサイトを整理するポイントは企業目線にならずに
顧客の立場になりその時の気持ちを想像することです
以降の流れでこのインサイトに対する
コミュニケーションの打ち手を検討することになります
ですので顧客目線でインサイトを整理することが重要になります

情報ニーズ
整理したインサイトを充足するために必要な情報が何かを整理します
例えば来場を検討しているので
店舗のラインナップ、イベントの情報を知りたいなどです

最後に行動
情報を得るためターゲットが取るであろう情報摂取行動を整理します
例えば店舗、イベントの情報を得るために
検索をして施設サイトに訪問するなどです

マーケティングの課題
KPI、コミュニケーションの課題

続いて定義したプロセス、インサイトや行動に対するマーケティングの課題
KPI、コミュニケーションの課題などを整理していきます

マーケティング課題
顧客化プロセスを進めるための課題
マーケティング課題を整理します
施策の課題と混同しないように注意することが重要です

例えば施設の認知
施設、店舗の理解
来店促進
店舗購入、サービス体験
カード会員化、アプリ会員化
再来場促進
再購入、
ライフタイムバリューの向上など
ビジネスから見て
どのように態度変容していって欲しいかがマーケティングの課題となります
ビジネス課題といっても問題ありません

マーケティングKPI
上記で定めたマーケティング課題を評価するためのKPI指標を設定します
施策のKPIと混同しないように注意しましょう

マーケティングのKPIと
施策のKPIが同じレベルで混同されている
ケースがよくありますがこれは誤りです

例えば
認知率
理解率
来場率
購入率
入会率
再来場率
ライフタイムバリューなど
長期で定めたマーケティング課題に合わせて
見るべき指標を決めていきます

コミュニケーション課題
マーケティングKPIを改善するために
コミュニケーションを通じて解決すべき課題を整理します

マーケティングの課題
マーケティングのKPIは設定されましたが
これを達成するための施策の方向性を抽出するために
コミュニケーションの課題を整理します

これも同様に
顧客化プロセスごとに整理をしていきます

例えば店舗理解でいえば
顧客の検索ニーズに対応した情報をサイトに用意する
購入促進でいえば、館内のナビゲーション強化などです

ここで設定するコミュニケーションの課題は
必ずしもデジタル設定におけるコミュニケーションに
こだわる必要はありません
あくまでもニュートラルに顧客接点を捉えることが重要です

メッセージの方向性
コミュニケーションの課題を解決するために
プロセスごとに伝えるべきメッセージの方向性を検討します

施策設計の流れ

続いて試作設計の流れです

施策の方向性
お客がプロセスごとに導き出してきた
インサイト、ニーズ、行動、マーケティング、コミュニケーション
それぞれの課題から具体的に施策の方向性を検討するプロセスです

コミュニケーションの課題を解決するために
実施すべき施策の方向性を検討します

広告を中心に媒体を買い付けて告知するペイドメディア
ホームページ、店舗など自社が所有するオウンドメディア
ソーシャルメディアやニュース記事などのアーンドメディア

このトリプルメディアの視点で施策整理を行うと考えやすくなります

あくまでも参考ですが
認知から来場までの

ペイドメディアはテレビスポットやweb広告、
交通広告などによるキャンペーン告知

オウンドメディアではホームページ上のUX向上、イベント情報の告知、
店舗フロアマップなどへのナビゲーション向上

アーンドメディアはfacebook、twitter、LINEなどを活用した
イベント情報、テナント情報の発信などです

こうやってマップ化してみると
顧客化プロセスのどのタイミングで
どのメディアを活用し
何をすべきかが分かりやすく
整理できると思います

コミュニケーションKPI
上記で定めた施策を評価するためのコミュニケーションKPI
指標を設定します
コミュニケーションKPIの達成により
マーケティングKPIが達成されるように組み立てることが重要です

例えば認知を目的としたCMやweb広告の例でいうと
リーチ、フリークエンシー、インプレッションなどがそれにあたります

試作の詳細設計
上記で定めた施策の方向性やKPIに見合った施策の詳細設計を行います
一般的にはマーケティング予算には限りがあり
全ての施策を実施することが難しい場合が多いです
こういった場合マーケティングKPIの貢献度によって
施策の優先度を整理することが重要です
優先度の高い試作から詳細な設計を行い実行します

施策とは
広告、PR、コンテンツ、サイト、
店舗施策、CRM、アンバサダープログラムなど
プロセスや課題によって様々ですが
それぞれが専門性の高い領域になりますので
詳細設計の説明はまた後日ということで。

以上がシナリオ施策KPI設計の流れです
表頭表側の定義にのっとって要素を整理しながら設計していくことで
マーケティング施策全体の地図を描くようなプロセスです

ここをしっかり整備しておくことで
時間軸の中で連続性を持って
顧客コミュニケーションを実行できることが
イメージできるかと思います

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