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デジタルマーケティング基礎1【デジタルマーケティングとは】

投稿日:2021年5月29日 更新日:

あっという間にネットにおけるマーケティングが当たり前になり
デジタルマーケティング抜きでは売り上げを上げていくことも難しくなってきました。
副業をはじめるにしても、いまネットを無視してはビジネスを育てることも難しい。
デジタルマーケティングの知識は頭では必要だと分かっていても
いちから学ぶのもなんだか今さら感が拭えないし、すごく難しそう・・・
そんな方向けにデジタルマーケティングの基礎を連載していこうと思います。

デジタルマーケティングに興味があるけど
何から学んだら良いかも分からない・・・
そんな方向けにデジタルマーケティングの基本となる考え方を
身につけられるように構成していこうと考えています。

で、まずこの基本篇では
一つ一つの専門性を掘り下げるというよりはマーケティング全体
その中でもデジタルマーケティングにどのように取り組んでいくべきか
その考え方を身につけていただけるようにお話ししていきます

デジタルマーケティングという言葉の定義

世の中のデジタル化とともに「顧客接点の多様化」「情報量の肥大化」
「生活者の意思決定プロセスの複雑化」が進む中で
マーケティング活動は今までにないほど難しくなっています。
デジタルマーケティングはそんな時代に最低限の理解はしておくべき知識です。
さあ、一緒に学んでいきましょう。

まずはデジタルマーケティングという言葉の定義について整理をしていきます

まずデジタルのお話をする前に
マーケティングという言葉の定義をしたいと思います

日本マーケティング協会では
「マーケティングとは企業および他の組織が
 グローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら
 公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」
と定義しています。
「?」って感じですよねw

上の定義の中では「グローバル」「顧客との相互理解」「市場競争」「市場創造」がポイントです。

さらにグロービスのMBA用語集でマーケティングは
「顧客満足を軸に売れる仕組みを考える活動」と定義されています。
こちらの方が分かりやすいですね。

一般的にマーケティングは
「顧客との関係構築を軸に売れるための仕組みづくり」と定義されます

整理をすると
企業から顧客に提供される商品、サービスを通じた体験価値の提供
顧客から企業に行われる価値に見合った支払い
この好循環を生み出すこと

顧客との関係づくりと売れる仕組みづくりを行うこと

これがマーケティングという言葉の定義になります。
ここまで大丈夫ですか?

ではこのマーケティングにデジタルが加わった
「デジタルマーケティング」とは何を指すのでしょうか

基本的なマーケティングの考え方は変わりません
ただしインターネットの普及に伴い加速した生活環境のデジタル化
この環境に適応しながら
最適化していくマーケティング活動を指します

もちろんPC、インターネットやスマートフォンなど
代表的な活用チャネルはありますが
それらを使うこと自体が
デジタルマーケティングということではなく
先に定めたマーケティング活動を
デジタル化した時代に適応させて実行していく
そういう意味合いになります

デジタル化していく環境

デジタル化していく環境について触れておきたいと思います
こちらは博報堂DYメディアパートナーズが発表している
メディア定点調査2015のデータです

このグラフは過去10年間でメディア接触環境が
どのように変化してきたかを表しています

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、パソコン、タブレット、携帯電話、スマートフォン
これらすべての総接触時間を100%としたときに
それぞれのメディア接触時間の比率がどう変化したかを見てみると

過去10年間でテレビ、新聞を中心としたマスメディアの接触比率が低下し
パソコン、タブレット、携帯、スマートフォンを中心とする
デジタルメディアの比率が高まっているのが分かるかと思います。

デジタルメディアの比率の拡大は
同時に情報量の肥大化を表しています

つまり肥大化する情報の中で
自分に必要な情報を探し選ぶ時代になったということです。

検索エンジンや特定のテーマなどでコンテンツをまとめている
キレーションメディアが成長している背景には
このようなメディア接触環境の変化があります

情報流通量の推移についても同様で
インターネットの普及に伴い、急速に流通する情報量が増えています。

企業のインターネット活用に加えてソーシャルメディアの登場により
個人が発信する情報量が加速度的に増加し、ここ十数年で何倍にもなっています

ですが一人の人間が消費できる情報量は大きく変わりません
流通する情報量が増えても人が処理できる情報量は変わらないわけです

そのため総量に対する情報の消費率は著しく低下し
これに伴い、企業が一方的に伝える従来型の広告は届きにくい時代になってきたと言われています。

トリプルメディアという捉え方

情報量が増加し企業のメッセージが埋もれやすくなり届きにくくなった時代
このような背景をしっかり理解し、コミュニケーション組み立てる上で大切になるのが
トリプルメディアというメディアの捉え方です

「オウンドメディア」は企業が自社で所有するメディア
自社サイトの他に店頭や売り場などのさします。

「ペイドメディア」はマスメディアやwebメディアなど
お金を払って買うメディアになります

「アーンドメディア」は評価や評判を得られるメディアという意味です
ソーシャルメディア上での口コミやニュースなどの客観的な記事、報道などを指します。

このトリプルメディアの概念が重要になってきた背景として挙げられるのが
メディア接触環境の変化と情報消費率の低下です

従来型の企業が一方的に広告を送りつける
コミュニケーションが届きにくくなり
企業と生活者のツーウェイコミュニケーションの信頼性が低下してきたこともあり
生活者が意思決定を行う上でアーンドメディア上のブランドや製品サービスに対する
友人知人の評価、客観的な評価がとても重要になりました

つまりブランドや製品、サービスの支援者としての
アーンドメディアの存在がとても重要になったわけです

このトリプルメディアはデジタル時代の
基本的なメディア構造として理解しておく必要があります

カスタマージャーニー

もう一つ別の視点で考えてみましょう
下の図はマスマーケティングの時代から
よく使われているファネルという考え方です。
この考え方自体なくなったものではないのですが
広く認知を取るところからスタートする量的なコミュニケーションの考え方です

上の図はマッキンゼーが提唱するカスタマーデシジョンジャーニーというもので
製品サービスへの気づきや購入やきっかけを得てから
生活者は複数のブランド製品を比較検討し評価をしてから購入に至ります
また購入がゴールではなく実際に製品を使うことも
重要なブランド体験という考え方をされており
この購入後の体験によりロイヤリティーが発生し継続的な顧客になり得る

つまりロイヤリティループが発生するというモデルです
前日のメディア接触環境の変化や情報消費率の推移から顧客に対する
一つ一つのコミュニケーションの質が重要視され数でとらえるファネルに対して
企業と顧客の関係を線、時間軸で捉えるカスタマージャーニーという考え方が生まれてきました。

前述のトリプルメディアがデジタル時代のメディアの捉え方と考えると
カスタマージャーニーはデジタル時代のコミュニケーションの考え方になります
これはいずれも重要な視点になります

4Pと4C

マーケティングミックスの有名なフレームワークとして4Pという言葉があります
これはよくお聞きになるのではないかと思います

プロダクト(Product)製品
プライス(Price)価格
プレイス(Place)流通
プロモーション(Promotion)販促

これらは企業が
商品やサービスを市場に流通させていく上で
重要なフレームワークとして現在も活用されています

一方でこれらを
顧客の視点に置き換えたものが
4Cという考え方です

4Pを顧客の視点で捉えると
プロダクトはカスタマーバリュー
顧客から見た価値

プライスはコスト
顧客にとっての経費

プレイスはコンビニエンス
顧客にとっての利便性

プロモーションはコミュニケーションになります

どちらが正しいということではありません
マーケティングという言葉の定義において
企業と顧客の関係作りというお話をしたと思います。
デジタル時代のメディアコミュニケーションの変化の中で
企業視点だけではなく顧客視点で考えることがとても重要です。

このような背景の中で
デジタルマーケティングに期待されているものは何でしょうか?

タッチポイントの多様化、情報量の肥大化、意思決定プロセスの複雑化に象徴される
コミュニケーション環境の変化に伴い
●マスマーケティングの限界
●時間軸と施策の連続性
●顧客体験価値の向上が
事業会社が抱えるマーケティング上の課題として顕著になってきました

このような背景の中で
顧客を理解する継続的な関係を構築する事業売上利益に貢献することが
事業会社のマーケティング活動の重要なテーマになっており
デジタルマーケティングに対して期待されている部分と言えます

では、次の回から
マーケティング活動の組み立て方について説明を進めていきたいと思います
宜しくお願いします

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